もし、赤ちゃんがRSウイルスにかかったら?どう対処したらいい?
RSウイルスは対処療法ですので、外来治療となった場合、自宅で親が状態をよく観察し、症状悪化のサインがみられれば、月齢が低ければ低いほど、素早く再受診する必要があります。
では、その「症状悪化のサイン」とは何か?
どんなタイミングで再受診すればいいか?
について、お伝えしていきます。
RSウイルスの感染対策はこう!対処のポイント
前回の記事では、(RSウイルスに乳児が感染したら?症状や特徴、治療で親として知っておいてほしいこと)
・なぜ、気をつけなければいけないのか?
・親として注意しないといけないこと(「対処療法」であるための注意点)
について書きました。
では、次に、病院に受診して、「お薬を飲んで経過観察してください」と言われたその後、親はどんな対処をしていけばいいの!?というところを具体的にお伝えしていきます。
*親が注意深く経過や症状を観察する。特に悪化の兆候がみられないか気をつける
前回でも少し書きましたが、RSウイルスは「対処療法」です。
治療は、子供の自然治癒力が主役で、お薬などは後方サポートとなります。
(とはいえ、子供の免疫力がまだまだ未熟なため、医療という後方サポートに、適切なタイミングでフルサポートをしてもらう必要があります。)
そのため、インフルエンザの「タミフル」のように、薬を飲んだからといって、ガンガン良くなるわけではなく、良くなったり悪くなったりで少しずつ良くなってきます。
それまで、子供はすごく苦しそうで、親としてもつらいところなのですが、子供の自然治癒力を信じて、看病やサポートをしてあげてください。
外来治療をしている場合、悪化の兆候がみられたら、即、病院受診してください。
子供の免疫力が未熟なため、症状が悪くなると、あっという間に悪化することがあります。
診療時間は終わったから・・とか、今日は日曜だから・・は気にせず、とにかく受診する!が大事です!
このような兆候がみられたら、受診してください。
熱:
熱の高さ低さはあまり関係ありません。
注意すべきなのは、脱水とエネルギーの消耗。
ミルクや母乳、水分を飲まなくなった、ぐったりしている場合は注意です!
水分の飲みが悪くなった?と思った時点で、幼い赤ちゃんの場合は再受診の準備をしてください。
咳:
熱よりも、こじらせやすい厄介な症状で、注意が必要です。
・咳が止まらなくて、呼吸がつらそうにしている
・咳が止まらなくて眠れない、休めない、消耗している
・呼吸が早い(目安は1分間に40以上)
・ヒューヒュー、ゼエゼエという音がする(喘鳴:ぜんめいといいます)
・「ケンケン」という咳をする(クループという症状で、喉がはれて呼吸困難につながることもある危険な状態です!)
これらのときは要注意です。
鼻:
・鼻づまりがして、息がしにくい
・鼻水がずっと出ている
このような場合、中耳炎を引き起こす場合があります。
自宅で鼻吸いをする、ただ、鼻の奥の方の鼻水はとれてなかったりもしますし、月齢が低くて、鼻水が出続けるようなら、医療機関で鼻水をとってもらった方がよいです。
RSウイルスで赤ちゃんなのに入院治療が必要といわれたら?またはどういうときに言われる?心構えとは?
病院に受診して、RSウイルスを診断され、「経過を見て、入院が必要になるかもしれません」とお医者さんに言われた・・。
あるいは、インターネットや書籍などで、「RSウイルスは赤ちゃんや小さい子の場合、入院治療になる場合もある」ということもよく書かれてあったりで、
お母さんとしては大丈夫なのかと不安になるかと思います。
ちゃんと治るのだろうか!?
入院するまでひどくさせたのは、親のせいなんだろうか?
と、不安になったり、オロオロしたり・・。
その場合は、
入院治療では、どういうことをするのか?
ということを頭で把握しておくと、気持ちがだいぶ楽になるかと思います。
*入院治療は必要になるのはどういうとき?
何回もお伝えしていますが、赤ちゃんや小さい子供は免疫力が未熟です。
健康な大人がRSウイルスにかかったとしたら、
適度に咳をして、ウイルスを排出したり、
適度に鼻水を出して、ウイルスを排出したり、
します。
しかし、ウイルスと戦う力がまだ未熟な赤ちゃんは、
全力で咳をするので、それで体が疲れたり、気管支に炎症ができたり、
全力で鼻水を出すので、それが耳の方にいって、炎症が起こってしまったり、
戦い方がおぼつかないので、余計なエネルギーを消費しやすいのです。
(まだ戦闘レベルが低いので、ウイルスに対して劣勢になりやすいというのも、もちろんあります)
そこで、医療スタッフは、後方サポートとして、
・咳をしすぎて体がしんどいのなら、咳止めや吸入をしたり、
・鼻水が出すぎたら、鼻吸いをしてとってあげたり、
ということをしていきます。
それが、外来治療で対応できるのなら、外来治療で継続になりますし、
鼻だけでなく、気管支もサポートしないといけないとか、フルサポートしてあげた方がいいな!
という判断になれば、入院治療になります。
あるいは、月齢が低くて、これは戦う力がまだ弱いだろうな・・と判断された場合は、症状がそれほど重傷でなくても、早めに入院対応となることもあります。
医療スタッフ側には、
入院治療をした方がいいのか?
この判断をきちんとしてもらうことが重要ですので、
症状の変化(特に悪化)があれば、すぐ受診!するのがよいというのは、こういう理由もあります。
*入院治療では、どういうことをするのか?
入院となった場合、よほど重傷の場合は別になるでしょうが、それ以外は、基本外来治療と同じことをします(薬、吸入、鼻吸いなど)。
こういった治療を、24時間医療スタッフの見守りの中で進めてもらえるので、親としてはむしろ安心感があります。
何か悪化の兆候があれば、すぐにみてもらえて判断してもらえますので。
小さい赤ちゃんの場合、症状がそれほど重くなくても、先にお伝えしたように、「これから苦戦するかもしれないから、はじめからフルサポートの環境にいてもらおう」という意図で、先生から入院を勧められる場合もあります。
そういった場合は、親としても、まだ育児すら慣れていない時期で、病状変化の判断もつきづらいことが多いですし、プロの医療スタッフに具合の善し悪しの判断をしてもらえることって、本当にありがたいですよ。
信頼してお願いすると良いと思います(^_^)
RSウイルスの感染の期間は?いつまで症状が続く?
RSウイルス感染症にかかると、一般的には発症してからおよそ1週間から2週間ほどで咳や鼻水などの症状が治まり、完治するまでにはおよそ2週間はかかるといわれています。
ただ、赤ちゃんの場合、お伝えしたように、戦い方のおぼつかなさから体が消耗してきたり、劣勢にたつ、具体的には、肺炎や細気管支炎、中耳炎などを併発するなど重症化してしまった場合、それ以上の治療期間がかかることもあります。
症状によってはRSウイルス感染症が治るまで1ヶ月もかかることもあります。
この場合、お母さんにとっては、大丈夫なんだろうか?いつまでこの苦しそうな状態が続くのか!?と心が折れそうになるほど、つらいだろうなと思います。
長期戦なんだなと覚悟して、できるだけゆったりした気持ち(お母さんがこういう態度だとお子さんが安心します)で、お子さんの辛い気持ちを受け止めてあげたり、ぐずってるなら抱っこしたりして休みやすくしてあげたり、水分がとれそうならこまめに水分をあげたりなど、無理のない範囲でサポートしてあげてくださいね。
お母さんも無理せず、寝られるときは一緒に寝て休むことも大事ですよ~!
また、医療機関にかかっているなら、お母さんだけでなく医療スタッフも全力でサポートしていますから、気負わないでくださいね。何か不安なことがあれば、どんどん先生やスタッフに質問しましょう。
(スタッフはお母さんが看病疲れしていないか、過度に心配していないかとか、そういうことにも気を配っています。なので、過度に遠慮する必要はありませんよ)
まとめ
RSウイルスは、対処療法で特効薬がないため、赤ちゃんが感染した場合、外来治療のときは、症状の変化に親が注意してあげてください。
悪化の兆候があれば、平日・休み問わず、すぐ病院受診です。
医療スタッフがフルサポートしてあげた方がいい、という場合は入院という判断になります。基本的には外来で行っている治療と同じで、吸入や鼻吸い、点滴の処置の頻度が多くなる、というイメージです。
RSウイルスは、幼いうちにかかると、長期戦になることも多いですが、赤ちゃんの免疫システムが頑張ってウイルスと戦っているということですので、お母さんも悲観的にならず、無理せず、休養をとって、できるサポートをやってあげてください。
症状をこまめに伝える、分からないことを質問する、など、先生や医療スタッフとうまく連携をとってくださいね。一人で背負う必要はありませんよ。
我が家も、3人ともRSウイルスに感染しました(-_-;)
その中で、長男と次男が感染したときに、どのような治療の流れだったか、そのときの反省点など考察しています。
お子さんがRSウイルスに感染してしまった!どういう治療をするの!?と心配な方に少しでも参考材料になれば嬉しいです。