「片付けられない」のが、原因となる病気としては、ADHD(注意欠陥多動性障害・注意欠如多動症)が有名になりつつあります。
しかし、それ以外の「心の病」や精神状態でも、「片付けられない」症状はあったりします。
場合によっては、「片付けられない=ADHDだ」と本人や周囲が思い込むと、対応を誤って、大変な状況になることもあります!
そこで、心の病やメンタルの問題が原因で、「片付けられない」症状が出てくるのは、どういった場合なのかを書いていきますので、
自分や周りの誰かが「片付けられないのは病気なんだろうか?」と疑っておられる方は、これからの記事をぜひお読みください。
片付けられない病気でADHDだと、どういう特徴があり、何が原因なのか?
まず、こちらの記事にも書いたのですが、
片付けられないのは病気?脳の問題やADHDか?病気以外の判断は?
病気によって、片付けられない症状が続く場合、下の2つのパターンがあり、自分がどちらに入るか考えることがポイントとなります。
パターン1
。
パターン2
この2つのどちらかで、当てはまってくる病気が全く異なってきます。
なので、自分は「どちらのパターンなのか?」をまず判断してくださいね。
では、まず、「自分は(あるいは周りの誰か)、ものごころついたときから、片付けるのが苦手だった」というタイプの方からです。
パターン1 元々から、片付けるのが苦手だったタイプ
小さい頃からずっと、周りと比べると明らかに片付けが苦手だった場合、
そして周囲のアドバイスや自分の努力にもかかわらず、全く改善しない!という場合、
真っ先に疑って欲しい疾患が、ADHD(注意欠陥多動性障害・注意欠如多動症)です。
このADHDとは、発達障害のひとつです。
ご存じの方もおられるかもしれませんが、基本から説明しますね。
発達障害とは
まず、発達障害ですが、これは、ストレスや環境の影響を受けて発症する病気ではなく、先天的な疾患に入ります。
通常の方より、脳の働きのアンバランスさが強いということが特徴です。
そのため、日常生活で得意不得意が起こりやすく、ある場面では適応に問題がみられたりします。
よく知られているものとしては、自閉スペクトラム症(自閉症やアスペルガー症候群)、限局性学習症(学習障害)、ADHDなどがあります。
そのなかで、「片付けられない」症状が強く出現するのが、ADHDです。
ADHD(注意欠如多動症、注意欠陥多動性障害とは
ADHDは、その名の通り、
「衝動性」
「多動性」
を特徴とする疾患です。
子どもを例とすると、座っていても、手足をもじもじしてずっと座っていられない、じっとしていられない、いつも活動する、忘れ物が多い、などの症状が現れます。
大人になると症状は軽くなる傾向が多いのですが、不注意や衝動性の症状は続くことも多いです。
なぜ「片付けられない」症状となるのか?
ADHDの場合、「不注意」や「衝動性」という特性があるため、
ものごとに取り組むときに、先のことを見通して行動したり、地道に行動していくことが苦手です。
思いついたらパッと行動してしまったり、考えが次々に浮かび、一つのことをじっくり考えたりということも苦手です。
そのような行動に関連して、記憶の一種である「ワーキングメモリー」も低い傾向があります。
これら特性が身の周りの作業においては、「片付けが苦手」という症状として表れます。
「片付け」は地味で忍耐が必要な作業になりますし、「このものはもう要らない」となったときに、新しい興味に注意がそれて忘れてしまったり、また、どこに何を片付けたか忘れてしまったり・・といったことが原因として考えられます。
もしかしたらADHDかな・・と思われた場合、チェックリストで確認できますので、こちらでセルフチェックをしてみて下さい。
ADHDのセルフチェックのページへ 現在作成中)
片付けられない障害で、ADHD以外のものは何か?
では、次に子供のときやある程度の年齢までは問題なかったけれども、あるときから「片付けができなくなった」ケースについてです。
これは、複数の病気が考えられます。
[パターン2 あるときから何故か、片付けられなくなった。]
いくつかの病気が考えられますが、
緊急性の高い順に考えてみますね。
統合失調症が原因の場合
統合失調症は、
・意欲減退・引きこもり(陰性症状)
・認知機能障害
の3つが主な特徴な精神疾患です。
通常、私たちは、社会のいろいろな決まり事に沿って、生活し、また、何らかの目的(学校で学ぶ目的のために学校に行く、収入を得るために働く、などの目的)に沿って、行動しています。
こうした、「目的に沿って、活動したり、社会や周りごとのルールを理解し、それに合わせて、生活する力」が、病気により長期にわたりに低下していく疾患を統合失調症といいます。
また、幻覚や妄想、まとまりのない奇異な行動といった陽性症状と、エネルギーが枯渇し、意欲や喜怒哀楽などの感情表出が極端に減少する陰性症状が出現することも特徴です。
なぜ、片付けられない症状が起こるのか
「幻覚・妄想」の症状が起こると、本人にとっては、それが現実にあるものと感じられるため、それら症状に行動が左右されます。
他の人には、理解しがたい「考え」に基づいて「行動」をすることが、その人にとって生活の中心になります。
そのため、その「考え」にとらわれているときには、片付けや、その他日常生活のことには目が向きません。
「意欲減退・引きこもり」が原因となる場合は、エネルギー自体が減少し、意欲や活動性全体が低くなったために、日常生活で必要な様々な活動(家事や買い物など)ができなくなり、その延長で「片付けができない」ということが起こります。
この統合失調症は、さまざまな症状が出ますし、症状の出方も千差万別なので、一般の方にはわかりにくい疾患なのですが、
一般の方が「もしかすると統合失調症かもしれない」と判断するポイントをあげておきます。
統合失調症かな?と見分けるポイント
・周りの人間は、本人の言っていることややっていることが理解しがたい。または、奇異な印象を受ける。
・目つきが鋭くなったり、表情の変化に乏しかったり、奇異な表情がみられたりする。自然で穏やかな喜怒哀楽の表情の変化がみられない。
少しでも当てはまるところがあれば、チェックリストをやってみて下さい。
統合失調症のチェックリストのページへ(現在作成中)
他にどんな病気があるのか、次のページに続きます。
片付けられないのは障害が原因?発達障害以外の精神疾患は?【片付けられないのは病気?パート3】