夏場になると、赤ちゃんや子供を持つ親としては、熱中症やその対策が気になりますよね。
暑い時期になると、ベビーコーナーでもイオン飲料を見ることが多いですが、
乳幼児にイオン飲料って必要なんでしょうか?
それともあげない方がいいんでしょうか?
はたまた、あげるなら、どういうときにあげるのがいいんでしょうか?
この辺りについて、迷うママも多いんじゃないかと思います。
そこで、
・乳幼児にイオン飲料って必要なのか?持って置いた方がいいのか?
・熱中症対策にイオン飲料を飲ませた方がいいのか?
・熱中症以外にも水分補給としてイオン飲料はあったほうがいいのか?
・イオン飲料を飲ませすぎるとデメリットはあるのか?
こういったことについて、分かりやすく説明していきます。
赤ちゃんの熱中症対策、水分補給のしかたに悩んでおられる方は、どうぞご覧ください(*^_^*)
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赤ちゃんにイオン飲料は必要?
はい、結論からいいますと、通常の生活では、必要ないです。
まず、「イオン飲料」って何?っていうところからなんですが・・
イオン飲料とは
イオン飲料とは、汗で失われた水分やナトリウムなどのイオン(電解質)が、身体にスムーズに吸収される飲料のこと。
を、指します。
人が汗をかくと、水分だけでなく、カリウムやナトリウムなどの「電解質」も流れ出してしまうので、イオン飲料は、こういった「電解質」も補給できる目的でつくられています。
イオン飲料には、
・スポーツドリンク
・ベビー用に特化したイオン飲料や経口補水液
などがあります。
スーパーやドラッグストアの、ベビーコーナーにはベビー麦茶や飲料と一緒にアクアライトなどのイオン飲料がたくさん並べられているので、お風呂上りやお出かけ時などに飲ませた方がいいのかな?と思いますよね。
ですが、夏場でも普段過ごすときであれば、
食事×水分 (離乳食がまだの赤ちゃんはおっぱいやミルク)
が普段通りとれていれば、イオン飲料は必要ありません。
お風呂上がりや汗をかいたときでも、いつも通りの水分(水、お茶、おっぱいやミルク)で大丈夫です。
汗で流れた電解質は、普段の食事や授乳でじゅうぶんにとれているので、心配する必要はありません。
赤ちゃんでイオン飲料が必要になるとき
本来イオン飲料が効果を発揮するのは、ウイルス性胃腸炎などの嘔吐下痢症でひどく吐いたり下痢をしていたり、高熱で水分がとれない時などの、脱水状態のときです。
体と同じ電解質で素早く水分補給ができるので、脱水状態を早く改善してくれるんですね。
症状が軽くなったら中止するのが基本です。
(どうしてかは後で解説します)
赤ちゃんの熱中症対策にイオン飲料はいい?
乳幼児は、大人よりも体温調節機能が未熟です。
これは、赤ちゃんや新生児は、体温調節をスムーズに行うために必要な自律神経の「体温調節中枢」の働きが未発達だからです。
ですので、外気が寒ければ、体温も低くなり、外気が暑ければ、体温も上がりやすい傾向
があります。
参考記事
暑い?寒い?赤ちゃんの体温調節機能とは?新生児は調節できない?(外部のサイトに移動します)
そのため、夏場など、子供がいる環境の温度が高いとうまく放熱できなくなって、体の中に熱がこもってしまいやすいんですね。
これらの理由から、大人よりも熱中症になりやすいです。
ですので、まずは、夏は水分補給はもちろんのことですが、赤ちゃんの環境に気を配ってあげることの方が大切です。
ひどい脱水状態になっていなければ、環境調節と通常の水分補給(おっぱいやミルク、水、お茶など)で大丈夫です。
赤ちゃんを炎天下に長時間といることは避けるのが基本です。
屋内であれば、できる限りエアコンを使い室温を涼しくしたり、
お出かけなら朝早くや夕方など、地面近くの温度が高温にならない時間帯を選んで出かけるようにしましょう。
とはいえ・・・、上の子のお出かけなど、どうしても外出しないといけない、炎天下にベビーカーを載せないといけない・・そういうときは、様々な対策法がありますので、こちらも参考にしてみてください。
ベビーカーの暑さ対策や熱中症対策おすすめは?保冷材やシートを使うなら
そして、炎天下や外出中などで、通常よりも著しく汗をかいているときなどに、
いつもよりずっとおむつを代える頻度が少ない・・
元気がなくなる、顔色が悪くなる、体重が減る、唇や口の中が乾燥する、泣いても涙が出なくなる、皮膚の張りがなくなる、などの症状がみられたとき、
こういうときは脱水状態が疑われます。
水分だけでなく、体の電解質も失われているため、それらも補充してくれる飲料が適しています。
そのとき、普段おっぱいを飲む赤ちゃんでしたら、母乳は乳児が必要とする水分と電解質のすべてを含んでいるため、これを与えるのが最善の対策となります。
母乳を飲んでいない赤ちゃんの場合、電解質が含まれたイオン飲料(経口補水液の方がいい)だと、スムーズに水分を吸収してくれます。
また、普段おっぱいであっても、元気がなく吸う力がない場合は、イオン飲料だと飲みやすい場合もあります。
このとき、スポーツドリンクは経口補水液とは組成が異なり、水や電解質のバランスを崩してしまう可能性があること、また、スポーツドリンクは糖分が多く、その甘い味を好んで習慣化する恐れもありますので、経口補水液の方がおすすめです。
子どもの脱水|コラム -医療情報提供-|高知大学医学部附属病院
赤ちゃんの水分補給にイオン飲料はいい?
最初にお伝えしたように夏場や暑い時期であっても、食事や授乳が普段通りできていれば、水分補給はお水、お茶など通常と変わりないもので大丈夫です。
繰り返しになりますが、イオン飲料は脱水状態を脱するために一時的に使用するのが、本来の使い方です。
赤ちゃんの夏の塩分補給はどうする?
汗をよくかくから、夏場は、塩分補給をした方がいいのではないか?と思うかもしれません。
これも最初にお伝えしたように、
おっぱいやミルクが飲めていたり、離乳食などの日常の食事がとれていれば、塩分もじゅうぶんとれています。
赤ちゃんのイオン飲料の飲み過ぎはよくない?
これまで説明したように、脱水状態のときには効果を発揮するイオン飲料なんですが。
よくあるケースが、
風邪や嘔吐(おうと)下痢などの病気のときに、医療者が「(薄めて)飲ませるように」と勧められ、
その後、病気が治ってもイオン飲料を赤ちゃんや子供が好んで飲むようになり、水や食事をあまり取らなくなることがあります。
イオン飲料は健康によいというイメージがあるため、子どもが好んで飲むことに親が抵抗を持たなかったりするのです。
しかし、これは誤解で、イオン飲料は脱水状態が改善すれば必要はありません。
それどころか、イオン飲料を常飲するデメリットもありますので、気をつけてあげてください。
まず、イオン飲料は甘く作られているものが多いですので、甘い味を覚えてしまうと麦茶を飲まなくなったり、おなかが満たされてごはんを食べなくなる心配もあります。
習慣的に飲むと糖分が含まれているのでむし歯の原因にもなります。
そして、糖分だけでなく塩分も多いので、特に電解質が失われていない健康な体に与えると、余計に喉が渇くなんてこともありえます。
そうなると、ますますイオン飲料が飲みたくなる・・量が増える・・といったことが起こります。
すると、イオン飲料を飲んでお腹が満たされるから、食事や他の水分はいらない・・そして、またイオン飲料を飲みたくなる・・といった悪循環が生まれます。
そして、乳幼児(だけに限りませんが・・)が多量にイオン飲料やスポーツドリンクを飲むと、
糖尿病性ケトアシドーシス
ウェルニッケ脳症
といった重篤な症状が出たり、場合によっては、
命に関わる危険性もあります。
(これについては、後日詳しく解説したいなと思います)
普段の水分摂取は、母乳やミルク、水、麦茶などのノンカフェインのお茶が基本であることを、しっかりと覚えておいてくださいね。
赤ちゃんにイオン飲料は必要?熱中症対策や水分補給になる?飲み過ぎはダメ?さいごに
スーパーやドラッグストアなどのベビーコーナーへ行くと、たくさんのイオン飲料が並んでいたりもしますので、「赤ちゃんにもあげた方がいいものなのかな?」と迷ったりしがちですが、通常の水分補給においては、必ずしも必要ありません。
発汗がひどいときや下痢嘔吐がひどいとき、発熱が続くなどの脱水状態といった一時的な状態のときに飲ませれば、効果的ですので、
必要となる状態やタイミングについて、よくおさえておいてくださいね(*^_^*)
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次はイオン飲料を赤ちゃんや子供に与えるデメリットについてです。知識がないとつい与えすぎになってしまうのですが親が思っている以上に危険性もありますので、合わせてお読みいただくことをおすすめします。
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