レディースブラックフォーマルは慶事にも着回してもいいのでしょうか?
ネットでは、サイトによって「慶事に着回してもいい」「喪服専用でお祝いごとに着てはいけない」と両方の意見が書かれていて、「で、結局どっちなの??」って思うかもしれません。
「ブラックフォーマルを慶事に着回す」ことが「なぜ賛否両論あるの!?」という点について、これまでの日本での「ブラックフォーマル」の使われ方にもふれながら説明し、
「で、結局ハレの日に着用OKか」について分かりやすく解説していきます♪
また、「小物でアレンジすれば祝い事にも着て大丈夫♪」という都市伝説(笑)も、本当なのか検証していきます!
ブラックフォーマルを女性も慶事に着回して大丈夫?
女性用ブラックフォーマルは慶事に着回して大丈夫なんでしょうか?
一部のサイトでは、レディースブラックフォーマルは、
「慶弔両用のデザインで、法事やお葬式にも、卒入式にも着回せる」と書いていたり、
ネット上の書き込みでも、
「お葬式に着る喪服はブラックフォ-マルだからお祝いごとにも着回せますよ!」
「ブラックフォーマルは礼服だから、お祝いに着ていけますよ!」
と言われたりしています。
また、男性の「ブラックフォーマル」は結婚式にもお葬式にも着ていくことが多いです。
こういうことから、女性用ブラックフォーマルも、慶弔で着回せるように思いがちだが、
結論から言うと、「ブラックフォーマルは喪服専用」と認識しておく方が無難です。
(ただ、後で詳述するが、地域差がかなりあります)
じゃあ、どうして、レディースブラックフォーマルはお祝いごとの席では着ない方がいいのか、順を追って説明していきますね(*^_^*)
ブラックフォーマルとは何か?
喪服と礼服とブラックフォーマルの違いで女性なら?慶事に着回しOK?

という記事の
「ブラックフォーマルと喪服の違いは?」
にも書きましたが、
ブラックフォーマルは、女性の場合
「喪服」という意味で使われる場合と、
「慶弔両用という意図で作られた黒色のシンプルなデザインの服」
という意味で使われることが多いです。
ブラックフォーマルは慶弔両用があるから慶事に着ていいよね?
で、ここで気になるのは、
「ブラックフォーマルは、慶弔両用デザインがあるからお祝いごとに着回して大丈夫かどうか?」
かと思います。
「慶弔両用」のものが売られているから、一見よさそうな感じがするのですが、
現在では、慶事にブラックフォーマルを着ない方が一般的なんですね。
なぜ? (?_?)
どうして「慶弔両用」のものが売られているの!? (゚Д゚)
という理由について、説明していきますね。
ブラックフォーマルの慶弔兼用デザインなら着回しは本当にOK?
本来、洋装のルールとして黒は基本的に喪の色でした。
なので、結婚式などの慶事には、女性は黒色を着ないのが原則でした。
しかし、ココ・シャネルがデザインした「リトルブラックドレス」という真っ黒のドレスが普及し、パーティー場面でも対応できるモードなドレスとして定着してきたこともあり、
現在では黒のドレスでもパーティーや結婚式に参列されることも多くなりました。
ただ、そのときも、黒のドレスを着る場合、喪を表す黒の服とははっきりとデザインや生地を変えてお祝いを表現するような慶事にふさわしいデザインの服で参列することがマナーであると言われています。
喪服は、悲しみを表すために、どこから見ても光らないよう、光沢の出ない独特の織り方で作られています。
また、喪服に使われている黒色も、日常着で使われる黒よりもずっと深い漆黒色で、屋外に出ても光の出ない色味になっています。
一方で、結婚式やお祝いに着るようなドレスやフォーマルウェアは、
派手すぎない光沢のある生地や、シルキーだったり、ドレッシーな素材でできています。
じゃあブラックフォーマルの慶弔用ってなぜあるのさ!?
ここからは、日本独特の事情があります。
日本では戦後から洋風文化や洋装文化が入ってきました。
しかし戦後の日本人にとって、フォーマル服は高価でなかなか手が出ないものでした。
また、「新生活運動」といって、敗戦後の経済的に苦しい状況の中、冠婚葬祭にかかる費用を軽減し、簡素化しようといった運動が農村を中心に盛んになりました。
その中で、一着でハレの日にも喪の日にも対応できるフォーマルがあれば便利、
ということで男性の「ディレクターズスーツ」をヒントに編み出されたのが、男性のブラックスーツ、そして、それに対応する女性のスーツが「ブラックフォーマル」なんです。
そこから、男性の「ブラックスーツ」は、昼夜の別なく、慶事・弔事・記念式典・公式行事とすべてに対応できるオールマイティーで便利な礼服として定着し、現在も幅広く着られています。
(ドレスコードとしては厳密には略礼服なのですが、準礼服としてよい、と書いてある本もあります)
(ちなみに、ブラックスーツは海外ではただの黒のビジネススーツとしか認識されていないようです。なので、ホテルの結婚式会場などで、大量のブラックスーツを着た日本人を見た海外の方は「マフィアか!?」とビックリして怖がるそうです(^^;))
では、レディースブラックフォーマルの場合は?
では、女性のブラックフォーマルは「冠婚葬祭オールマイティに対応できる!便利な礼服!」として定着したのか!?というと、
・ただし、一部の地域では風習として残っているところもある
(農村地帯であったり、ご高齢の方が多い地域、新生活運動が盛んだった地域など)
という状況のようです。
現代では事情が違い、日本も豊かになり、ハレの日のフォーマルドレスも様々なお店でデザイン豊富なものがお値頃な値段で、手に入りやすい状況になっています。
また、ブラックフォーマルは、冠婚葬祭すべてに対応できる服ということですが、
弔事に対応できるよう、
・光沢が出ない色、織り方
・シンプルなデザイン
にしないといけません。
そうすると、元々、
ハレの日の礼服
喪のときの礼服
では、素材感も、織り方も、色も全く異なるということもあります。
(違いについては、コチラが詳しいです)

ブラックフォーマルはどこから見ても光沢が出ないので、見る人が見れば、「ああ、あれは喪服だよね」と分かるつくりになっています。
「ハレの日に喪の服を着るなんて」
「ドレスコードが分かっていない人なんだ」
という印象を持たれてしまっては損です(>_<)」
そのため、
お祝いごとのときは、それ用の服、
喪のときは、喪服やブラックフォーマルと、
状況に応じたそれぞれフォーマルウェアをそろえて、場に合った服でコーデする、という考えが無難かなと思います。
ブラックフォーマルをアレンジしたら慶事OK?アクセサリーや小物を替えればいい?
そのため、どんなに慶事用のアクセサリーや華やかな小物を揃えて、無理に合わせるより
お祝いの席には、まずその式にあった服を用意する、という方が大事です。
特に、結婚式などに「喪服」や「ブラックフォーマル」を着てこられて、どんなにアクセサリーや装飾で華やかにしていても、
周りで見ている人たちは
「服の素材が喪服仕様なので、何か違和感を感じる」
「皆、華やかな服装をしているのに、一人だけ浮いてる」
とすぐに感じる方が多いように思います。
(あくまで全国的な傾向で、地域差はあります)
ブラックフォーマルにつけるコサージュやアクセサリーも一式を揃えようと思えば、意外と高いお値段になったりしますし、
そうすると、祝い事で使えるフォーマルドレスが1着余裕で買えた!ということも多いです(^^;)
フォーマルドレスやフォーマルウェアは今は本当にお手頃価格で手に入る物も多いです。
なので、地域の事情や特別な事情があるとかでなければ、
アレンジにかかる費用と、
慶事用フォーマルウェアを買う費用と
比べたりしながら、
冷静に考えるといいですよ。
ただ、さっきお伝えしたように、地域差があります。
慶事にブラックフォーマルを着てOKかどうかは、一般的にはNGだが、
お住まいの地域がOKなら(むしろ、それが正式と捉えられているなら)
その、ローカルルールに合わせるのがいい、ということになります。
では、関連する話題として、結婚式や卒業式、卒園式にブラックフォーマルはアリなのかどうか?についても、近いうちに書いていきます♪
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