前の記事では、お料理初心者向けに「料理を使ったワーキングメモリートレーニング」の方法を書きました。
次は、主婦や一人暮らしなど、「何かしら料理は作っているから、ある程度のレシピは知っているよ~。」という状態の方向けに考えた「料理を使ったワーキングメモリーのトレーニング方法」をお伝えします。
いつも面倒に感じる料理を「脳のリハビリ」として楽しんで取り組めるようになると嬉しいです(*^_^*)
(お料理初心者向けの「料理を使ったワーキングメモリートレーニング」の記事はこちらです)
ワーキングメモリー訓練は無料でできる料理がおすすめ!やり方は?
料理でリハビリをする!主婦向けのトレーニングプログラム
前回の初心者向けのトレーニングでは、お料理を1品だけ作りましたが、毎日作っている主婦などの方には簡単すぎるので、「複数の品」を作っていきます。
①まず、献立を決めます。
ご飯、主菜(肉、魚)、副菜(野菜)、あるいは1汁3菜として、2~4品くらい。この辺りは、自分の料理スキルレベルとか、余裕の有無とか予算とか(^_^;)で決めて下さい。
オススメは、その中の1品は「作ったことがない、あるいはあまり作ったことがないレシピ」を入れることです。
(「作ったことがないレシピ」なので、手順や材料を覚えないといけません。これがワーキングメモリーをガンガントレーニングすることになります)
今回は例として、
・ご飯
・肉じゃが
・ほうれん草のおひたし
・お味噌汁
を作っていくことにします。
②まず、それぞれのレシピの作り方の手順、材料、材料の分量を確認します。
知っているものは見なくていいですが、知らないレシピは手順、材料の分量を理解し、覚えて下さい。
③すぐ取りかかってはいけません。始める前にイメージトレーニングをして下さい!
複数の献立を最短で仕上げるために、どういった手順がよいか、それぞれのレシピをふまえて考えていきます。
今回の献立では、
2 お味噌汁の具材を切る。出汁に具材を入れて煮る
3 肉じゃがを作る。具材を切って、炒め煮にする。
4 肉じゃがを煮ている間、ほうれん草を茹でて(余談ですが、我が家はレンジ加熱してます)、おひたしを作る
5 お味噌汁に味噌を入れる
6 できあがり
という手順を考えました。(もっと効率よい作り方あったらスミマセン(+_+))
このような「いい感じの手順」が考えられれば、それを覚えておきます。(覚えるのが苦手!という方はメモに書いてもいいです。しかし、作る前には、メモを見直して覚えるということをして下さい)
④次に料理の全体的な段取りもイメージします。
・料理を作る前に、キッチンを片付ける
・必要な材料、調味料を出す、キッチン道具を出す
・作っている過程で、後片付けしたり、洗い物ができないかをあらかじめ考えた上で、料理を作っていく
・洗いものが残っていれば、洗う
・キッチンを片付ける
これら、料理の基本的な「段取り」をまず覚えておきます
④ ②、③をうまく組み合わせた手順を考え、覚えておきます。
これで、料理全体の流れを覚えたことになります。
⑤ では、実際に作っていきます!
作りながら、あるいは作った後でもいいので、
・作る順番はきちんと覚えられたか?
・作り方の内容はきちんと覚えられたか?
・メモなどをどのくらい見直したか?
・各レシピの作業はスムーズにできたか?
・複数の献立を作るときに、同時作業はうまくできたか?
・複数の献立を作るときの、作業の流れはスムーズだったか? うまく流れないところはなかったか?
・冷ます料理は冷めていて、温かい料理は温かいまま出せる状態でできたか?(←これはなかなか難しいですが(笑)
・作業過程で作業しにくさはなかったか?
などのセルフチェックをしていきます。
これら項目の気づいたことをメモしてもいいですね。
それで、できていない点が多いなあ~と感じたら、改善点を考えて、(レシピをきちんと覚えられていなかったのか? 作業工程をもっと考え直したらいいのか?など)
もう一度、同じ献立でチャレンジしていきます。
ある程度、うまくできたなら、違う献立でチャレンジしていきます。
この方法だと、無数にバリエーションがあるので、一生トレーニングができます!(^_^;)
料理でリハビリをすると、このような効果が考えられる
ここでは、私が狙っている、「料理をしながらワーキングメモリーを鍛える」という効果のほか、
・計画に沿って、作業していく力
・順番に作業する力
・同時作業する力
・適切なタイミングで適切に注意を払う力
・余分なことをしない力
など、前頭前野の機能を鍛える内容であったり、自己抑制機能を鍛える内容もありますので、ADHDの「衝動的に思いついたり行動する」「不注意が多く、ミスしやすい」という症状にはぴったりのトレーニングといえます。
余談ですが、この「料理でトレーニング」というやり方は、統合失調症やうつ病の方にも効果がありますよ。これらの疾患も、前頭前野やワーキングメモリーの機能が低下しやすいです。
(また、後日このことについても書いてみたいですが)
料理って、生きていく上で必ず必要な家事ですし、(毎日毎日外食だと、コストがかかる、栄養面で心配、などデメリットも多いですし)
特に主婦の方は、「ほぼ毎日料理を作らなければいけない」ことが多いですよね。
「やらないといけないこと」なので、どうせなら、そういった毎日の作業を「ただ漫然とやるだけ」でなく「面倒だけど、この作業をやると、ここが鍛えられるんだ」って意識してやる方がいいです。
お金をかけたトレーニングだって、「面倒」で「頻繁にやらないといけない」という要素は必ずありますからね。それならば、無料でできて、「毎日やらざるを得ない作業」の中にリハビリを組みこめれば、
「イヤでもリハビリできる環境」が作れます(笑)。
私なんかは「毎日毎日料理を作らなければならない・・・面倒だ・・(+_+)」と思いながら、ウンザリしながら、作ることも多いのですが、
こんな感じでプログラムを考えたので、料理をするときに、「今はワーキングメモリーのトレーニングをしているんだ!リハビリをやってるんだ!なんて偉いんだ私!しかもトレーニング代は無料だし!」
と思い直したら、やる気が出ました(^_^;) よければ試してみてくださいね♪